遭難から始まったシェラデザインズの歴史と魅力
1960年代のアメリカ――この激動の時代を懸命に生き抜く、ある二人の青年によって誕生した「シェラデザインズ」。キャリアや学歴ではなく数々の経験と自由な発想、そして豊かな創造性からオリジナルの「60/40マウンテンパーカー」は創り出されたのです。
その二人の青年とは…「ジョージ・マークス」と「ボブ・スワンソン」。アメリカでアウトドアが新たなカルチャーとなる前の1960年代、二人はサンフランシスコからほど近いバークレーにあるスキーハットというショップに勤務していました。アウトドアスポーツやキャンプに明け暮れる二人は、ある時海で激しい暴風雨に巻き込まれて遭難をし、九死に一生を得て生還しました。この時の経験から二人は、ウェアが生命を左右することを痛感し、自分たちが「命を託せる」モノ作りをしようと決意したというわけです。
時は1965年、家の倉庫で足踏みミシンを使って、二人による衣類の製作が始められました。そこでシェラデザインズが誕生。1968年に「60/40マウンテンパーカー」を発表。このシリーズは当時のアメリカの若い世代を中心に大人気となり、今もなお生産され続けています。日本では、1975年に読売新聞社が発行した「Made in U.S.A」でも大きく取り上げられ、1976年創刊の「ポパイ」でも紹介され、日本の若者にカルチャーショックを与えました。それからというもの、アメリカではもちろん、日本の若い世代を中心に、今も高い人気を誇るシリーズとなっています。
伝統の「60/40」がシェラデザインズの魅力
1970年代のヘビーデューティー世代の方や1980年代のアメカジ世代の方なら思わず「懐かしい~」と口にしてしまうであろう、シェラデザインズの「60/40マウンテンパーカー」。
この「60/40」とはどんな意味を持つか知っていますか?
――これはコットン60%、ナイロン40%で織られた生地であるという意味。もっと正確にいえば、コットンを横糸で58%、ナイロンを縦糸で42%。コットン100%よりもごわごわせず、ナイロン100%よりも摩擦に強いのです。
この絶妙な配合が、現代のハイテク素材でも真似することができない高機能性を生み出したのです。
デザイン
シェラデザインズのオリジナル「60/40マウンテンパーカー」。40年以上経った今でもその洗練されたデザインや使い勝手の良さは、古さを感じさせず、どこかローテクな雰囲気を感じさせます。
ポケットの位置、フラップの形、通気性を調節するドローコード、スムーズなファスナー、立体的なフード、ベルクロで調節可能な袖口など、とことん計算しデザインされたディティールからは、ロングセラーになるべき理由が伺えます。
あなたもぜひ、60/40シリーズを手に取ってみてください!